スパイスの薬効  インド

インドの食文化を知るには宗教を知らねばなりません。
国民の60%(インド南部は80%)がヒンドゥー教ということで 神聖な動物とされる牛は食べず、羊か鶏肉を使います。
また、ベジタリアンの貴重な蛋白源として豆類や乳製品を用いたメニューが多いことも特徴です。

豆はそのままカレーに入れるだけでなく豆を引いた粉を衣に使ったインド風てんぷらにしたり
ヨーグルトはラッシーという飲み物以外にもお肉の下味やカレーを作るときも欠かせません。
牛乳を煮詰めて作るクルフィというデザートを始め、乳製品を使ったレシピがたくさんあります。

料理には必ずといっていいほどスパイスが入ります。
スパイスは香りや風味をつけて料理をおいしくするだけでなく消化を促進したり汗をかかせて体温を下げたり
食べ物を腐りにくくする働きもありその日の気候や体調によって配合を変えます。
また、混合スパイスの「ガラムマサラ」は各家庭の独自のブレンドがあるのは興味深いところ。

主にインド料理に使われるスパイスは、厳しい暑さの土地柄か消化を助けるもの (クミン、カルダモン、シナモン、
黒胡椒など) 強い殺菌作用や抗菌作用を持つもの(マスタードシード、ターメリックなど)が多く使われています。

さらにインドには4000年の伝統をもつインド医学アーユル(life)ヴェーダ(science)と呼ばれる伝統医学があります。
人間はもって生まれた体質や資質のようなもの(=ドーシャと呼ぶ)があり
ドーシャによって身体にいい食べ物と身体によくない食べ物が決まっているそうです。

インドの人は自分のドーシャによって身体にとって良いものを多く悪いものを控えめにする食生活と、
スパイスの効能で元気に長生きできる知恵を持っています。