香港には糖朝を初めとするスイーツ専門店がいたるところにあります。
甜品（デザート）専門店のみならず、各レストランでも
必ずデザートメニューをとりそろえていて、
老若男女問わず、その日の体調や気候、
食事のメニューに合わせてスイーツを選び、
食事のしめくくりに摂るのが当たり前なのが興味深いところ。

医食同源の食文化が根付いている香港の人にとって、
スイーツは単に女性や子供が好む「甘いもの」ではなく、
食事の一部または総仕上げという意味をもつものであり、
体調を整えるための大切な薬膳なのです。

お汁粉、お団子や揚げ菓子、蒸し菓子などの香港伝統菓子には
滋養強壮効果のあるピーナッツやごまやがよく使われています・
お菓子まで素朴で身体によくおいしい。
選ぶのにとても苦労しましたが
香港で出会ったスイーツで特にお気に入りなのをご紹介します！


豆腐花

大豆の汁を石膏粉で固めたもの。
石膏粉は漢方食材として、咳止めや肺を潤す効果があります。
コーンスターチも加えて作るため、味は豆腐そのものですが、
食感はひたすらなめらかで柔らかい。
これに紅糖というきび砂糖や甘いシロップをかけて食べます。

初めて食べたときは「どうして湯豆腐に砂糖をかけるのか！？」と
そのバランス感覚を疑いましたが、最終的にこのデザート
大好きなお気に入りのメニューになっていました。
（豆腐花は温かいのと冷たいのがあります。）

大豆には女性の老化防止のイソフラボンが豊富で、ホルモンバランスを
整え利尿作用を高め水分代謝を促進するため、
むくみやすい人はよく摂るようにするのがおすすめ。

ごまやくるみのお汁粉を豆腐花にかけて出すのは糖朝の人気メニュー。
こんなデザートを買い物途中の街市の一角で、気軽にさらさらっと食べる。
香港の女性たちの元気と美肌の秘密はここにあり！


しょうがミルクプリン

香港では１００年も続く有名なプリンやさんに義順があります。
白いぽてっとしたお碗に赤い牛のマークがついた
なんともかわいい器になみなみとプリンが入って出てきます。
本店はマカオにあり、もともと牧場を営んでいた経営者が牛乳を使って
何か出来ないか考えた末にできたお店だそう。

元牛乳屋さんというだけあり、バナナミルクや小豆ココナッツミルク、
パパイヤミルクなど牛乳をつかったドリンクは種類が豊富ですが
プリンのメニューは２種類のみ。
黄色い卵プリンと、
白い牛乳プリンにしょうがのシロップがかかったものだけです。

私はこの白いのが好きで、冬の寒いときにこの白で温かいプリンを
食べると身も心もほっとしました。
体が芯から温まる滋味あふれる優しい味がするんですよ。

マンゴープリン

どこのレストランでも自慢のレシピがあるのが、このマンゴープリン。
エバミルクをたっぷりかけて食べます。
とにかく熟したマンゴーを使うのがおいしく作る秘訣。 　　　　　　　　
マンゴーのカロチンやビタミンAの含有量は果物の中でも
特筆ものと言えるぐらい豊富です。
ビタミンＣはバナナの２倍、食物繊維もたっぷり。
風邪予防、美肌保持、整腸、便秘予防に、
また暑くて消耗した体力の回復や喉の渇きを癒す効果があります。


楊枝甘露

マンゴーを使った人気のデザートをもう一品。
マンゴープリンに食べ飽きたら次にはまるのがこれ。
ほぐしたポメロ（大ぶり青いグレープフルーツのようなフルーツ）の果肉のほろ苦さが、
甘いマンゴーのピュレとマッチして、タピオカのプチプチ感もgood！
絶品スイーツです！